佐々木耕司コラム

「北米トレーニング2011の様子2」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。待ちに待ったウィンターシーズンが到来しましたね。今年も昨年に続いてラニーニャ現象により、寒波が列島を襲う寒い冬となるという予報を、11月に気象庁が発表していたそうです。1年に2回もラニーニャ現象が起こるのは極めて珍しいことで、気象庁が統計を取り始めた1946年以来初めてのこととだそうです。(インターネットによる)その中、我がホームスキー場のホワイトワールド尾瀬岩鞍が、例年よりも良いコンディションにてオープンしました。(スノーボードスクールは23日からオープン)皆さまのスノーライフを満喫するためのお手伝いや、スノーボード楽しんでいただけるよう、スタッフ一同お待ちしております。今シーズンもどうぞよろしくお願いします。

さて、今回は「北米トレーニング2011の様子2」をお話ししたいと思います。
北米に約4週間滞在していた11月中旬に、カッパースキー場にてFIS公認のノースアメリカンカップレースが行われました。(通称ノーアム)2日間の日程の1日目はパラレルジャイアントスラローム(PGS)、2日目は、トリプルスラローム(TSL)が行われました。2014年のソチオリンピックで、新たに追加で正式種目となったパラレルスラロームをよりエキサイティングにして、かつ観客への見栄えが良く、競技時間の短いシンプルなレースにと、FISスノーボード委員会で考案されたこの種目を、今回世界で始めて実践しました。競技の内容は、ほぼ同じにポールをセットされた3つのコースを3人が同時にスタートして、1名の勝者が勝ち上がって行き、最終ヒートで、先着した順から1位、2位、3位と順位を決めるものです。
決勝には、予選2本のベストタイムの上位27人が進出し、1ラウンド1本での勝負で勝ち上がっていきます。今回開催されたコースは、徐々に左に曲がっていき、斜面が平らではなく片斜面となっていたため、レースが始まる前の、選手やコーチ達の予測どおり、イン側のコース次に中央のコースが有利で、アウト側は不利といわれていた通りの結果となりました。
このレースのメリットとしては、遅延式スタートゲートが不要であることや、進行が早いこと、レースを見ていてエキサイティングなこと、決勝へ進める人数が以前の8名もしくは16名よりも27名と多く、決勝に残って勝ち上がり戦に進めるチャンスが広がることなどがあります。デメリットしては、コースの設営に多くの機材(ポールなど)と人力が必要なこと、となりのコースにはみ出てしまった等の中断があると少し時間がかかってしまうこと、決勝ラウンドでは、1本勝負で勝ち負けが決まるので、実力者が万が一小さなミスをしてしまったときは、強豪が早々に姿を消してしまいやすいことなどが挙げられます。私の個人的な意見としては、ルールが整備されれば、レースの進行が早く、選手や観客の待ち時間が少なくてすむという利点や、決勝戦にて1回の勝負で金、銀、銅メダルが決まるという明快でシンプルなレースが良いので、今後普及していくような気がしています。また、現日本代表選手は、スラロームが得意な選手が多数いるので、是非ソチオリンピックで採用されて欲しいと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2011年12月16日(金) No.85 (コラム)

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