佐々木耕司コラム

「柔らかい雪でのカービングターン」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
今シーズンは、寒気団が長期にわたり日本列島を覆っており、寒い日が続いています。ここホワイトワールド尾瀬岩鞍では、連日少しずつ雪が降りつもり、例年並みの積雪となりました。今年の雪が降っている日は、気温が低く風が強い日が多く、いつもよりもかなり寒く感じていますが、そのおかげもあり、山頂部でのパウダーライディングを思う存分楽しむことができています。

さて今回は、”柔らかい雪でのカービングターン”についてお話しします。
柔らかい雪でのスノーボードは、初心者にとっては、転んでも痛くなく、スピードがあまりでないため滑りやすく適していますが、スピードを出せる上級者にとっては難しいものとなります。それは、初心者はボードを斜面に対して横向きにてして滑ることが多いため、ボードが雪に埋もれることはあまりないのですが、上級者はボードを下(谷側)に向けて滑ることが多いため、ボードのノーズ(先端)が雪に潜って、刺さって転倒してしまうことが多々あります。上級者は、ボードのずれ幅が少ないカービングターンにて山を滑り下りることが多く、通常の雪の場合は、ボードのノーズがあまりささらずにすむのですが、柔らかい雪の場合は、雪の密度が薄いためボードが雪の中に潜りやすい状態となるばかりだけではなく、硬い雪に比べて滑り出しのスピードが乗りずらく、最高速度も低くなり、どうしてもボードを下に向けて滑るようになることが影響して、ボードが刺さりやすい状態になります。それを防ぐために、ボードの後ろに乗るのですが、あまりにもボードの後ろを踏んでしまうと、今度はノーズが雪面から浮いてしまい、ボードの操作性が悪くなりコントロールが難しくなり、バランスを取ることが難しく、転倒しやすくなります。理想のカービングターンとは、ボードのエッジ全部をつかってズレの少ないターンをすることで、例えば、硬い雪の場合はボードの前に乗っているところから後ろに移動してもボードが雪にもぐらないため、それほど問題はないのですが、柔らかい雪の場合は、乗っているポジションが悪いと、ボードが雪にもぐってしまうため、正しいポジションに乗ることと、スムースな荷重運動が必要となります。具体的には、まずは、直滑降した際に、ボード全体が雪面に安定して接地するポジションに乗り、その状態でボードのセンターをたわませて、長くターンをしていくことを心がけて滑るとよいでしょう。2月になり、さまざまなイベントや大会が多く開催され、雪質にあわせたライディング技術を問われる機会があった際には、上記のことに留意して滑っていただければと思います。K-snow JAPANでは、スピード系の大会向けのトレーニングやレッスンばかりでなく、フリーライディング向けのレッスンを、ホワイトワールド尾瀬岩鞍での様々な雪質にて行っておりますので、早い上達を望む方や柔らかい雪での滑りについてお悩みの方は、是非一度お越しいただければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2011年02月01日(火) No.72 (コラム)

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