佐々木耕司コラム

「発見」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。

ここ最近涼しく過ごしやすい天候となりましたが、皆様いかがお過ごしですか。ニュージーランドキャンプを無事に終え、9月下旬に帰国しました。
夏の時期に日本にいた方から、今年の夏は本当に暑いと聞いており覚悟はしていましたが、帰国後の残暑の厳しさは、久しぶりに体にこたえました。
(ずーっと日本にて記録的な酷夏を過ごされた方はすごい!と思いました)

今年は、異常気象であるラニーニャ現象が発生しているといわれ、その特徴である、猛暑、寒冬という気候予想がされています。
この夏のニュージーランドでは、その影響のためか冬が早くおとずれ、春になるのが遅く、そのためハイシーズンのグッドコンディションが通常よりも長く続き、爽快なスノーボーディングを存分に楽しむことができました。日本の冬のシーズンは、同様のコンディションでのスノーボーディングが大いに期待できますので、是非とも関東最大級の滑走環境を誇るホワイトワールド尾瀬岩鞍にて、スノーボードが大好きで上達を望む仲間達と一緒に、スノーボーディングを満喫したいと思います。

さて今回は、「発見」についてお話ししたいと思います。今回のニュージーランドキャンプ中に、スノーボーディングで発見したことがありました。
それは、ホワイトケスラーボード(162と180)に乗った時のことです。
最近スノーボードの指導をしている際、選手や生徒達へは、ボードに仕事をさせるよう(ボードが仕事をするように)にと、お教えています。それは、ボードが本来持っている性能(真下に落下していくこと、曲がること、等)をうまく引き出すことで、それができると効率のよいラインディングが可能となります。
特にフォーカスしている点は、ターンとターンの切り替えの際の、ニュートラルポジションにて正しいポジションをとることです。スノーボードは、足が固定されているためバランスの幅がせまく、左右非対称に行うスポーツなため、ニュートラルポジションを正しくとることが難しいという特徴があります。
逆に言うとこのニュートラルポジションが正しくできることで、ボードが雪面にフラットな状態となり、ボード本来の性能を発揮することができるのです。
話をもとに戻すと、滑走中ボードに良い仕事をさせるには?といろいろと考えながら滑っていて、次はニュートラルポジションを出来るだけ早く、できる限り長い時間作るようにトライしたところ、その状態を長い時間キープして我慢することができず、自然に次のターンの内側に落下してしまいました。その落下していく方向がとてもよかったため、その後のターンのピーク時のエッジングが、かつてないほど良いものに感じました。
自己分析してみると、いままではターン前半、中盤、後半とターンを区切って考え、それをつなげていたことがありましたが、今回のは、ボードを下方向に向けたまま、無意識に適正なターン弧を作り出すことができました。
今回の発見では、流れが止まらずにスムーズなターンができ、ボードが雪面とけんかしない軽快なターンになり、これをアイスバーンで試したところ、エッジがかみ、切れたターンができました。現役を引退してから、しばらく感じられなかった新しいテクニックを体験したうれしさや、ケスラーボードのポテンシャルの高さ、次なるテーマの発見と、久しくなかった”早くスノーボードを滑りたい!”という気持ちになりました。
そしてそれは、ボードに仕事をさせることができれば、決してケスラーボードは難しくなく、むしろ楽にターンができ、上達を助けるボードであるということを再認識した瞬間でした。

最後に、発見をするためのコツはというと、それは、”考えて滑ること”です。何かを考えたり感じながら滑ることは、自分自身の滑りを客観的に考えたり、自己分析するため、何も意識しないで滑ることに比べると、発見することがとても多いのです。そのためには、まずは自身の滑りを把握し、テーマを見つけることがライディングの向上の近道です。

ホワイトワールド尾瀬岩鞍のスノーボードスクールやトレーニングクラブでは、新しい発見のお手伝いとなるコースやレッスンを用意しており、ケスラーカスタムボードの試乗も可能ですので、早い上達や発見を望む方や興味のある方は、是非とも一度お越しいただければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2010年10月01日(金) No.66 (コラム)

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