佐々木耕司コラム

「NZキャンプ2010」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
現在、ニュージーランド(NZ)にてスノーボードキャンプを開催中です。
今年のニュージーランドは、豊富な雪に恵まれ快適なスノーボードを行えています。
そんなキャンプ開催中に、日本より心の痛む連絡がありました。
8月15日、一人のシニアスノーボーダーが病気のためこの世を去ったとの連絡でした。彼とは、数年前から大会会場でよく声をかけてもらい知り合いましたが、自分の滑りがよかった時も、悪かったときも、とても明るく、スノーボードを心から楽しんでおられました。
数年前から弊社の取り扱っているケスラースノーボードを乗ってくださり滑りが調子よさそうで喜んでおられ、私どもも自分のことのように喜んでいた矢先の出来事でした。
井上誠さん、あなたの熱いカービングターンは、我々の心の中で滑り続けていくことと思います。まこGの大きな笑顔と熱いカービングを我々は決して忘れません。天国で少し休んだ後、生前のように我々カービングスノーボーダーの仲間達を応援してください。

さて今回は、”NZキャンプ2010について”お話ししたいと思います。

◆キャンプについて
今年で17回目になるニュージーランドスノーボードキャンプを振り返ってみますと、8月に入ってからは、スキー場の天候はめまぐるしく変わりましたが、寒い日が多かったため、雪のコンディションがとても良く、南半球ならではの真冬のグッドスノーを存分に満喫されたことと思います。8月末にてキャンプのメインの期間(フリースタイルコースとテクニカルコース)は終了しましたが、引き続きスピードコースと居残り組が自主練習のため9/19まで滞在します。これからの3週間は、キャンプで習ったことの復習と各自の課題への取り組みの期間となります。スポーツの上達の基本はなんといっても反復練習ですので、今年から新設した、”居残りトレーニング”を存分に活用していただき、冬にその効果がでることを楽しみにしています。キャンプの詳細は、NZキャンプ日記を連日更新していますので、是非一度覗いてみて下さい。
http://www.k-snow.com/report/10-11/2010_nz.html


◆大会
K-snowキャンプのスピードコースにて約1ヶ月間トレーニングに励んだ、ジュニアナショナルチームの選手が、ジュニア世界選手権大会へ挑みました。結果は以下のとおりです。

<スノーボードクロス競技> 2010.8.22岩垂かれん選手 9位(予選4位)桃野慎也選手 17位(予選13位)徳留功也選手 32位(予選32位)渡辺大介選手 33位(予選33位)

<パラレル競技> 2010.8.26-27佐藤江峰選手PGS 9位(予選4位)PSL 7位(予選15位)

上記の2つの大会は、予選と決勝があり、予選はタイム計測で順位を決め、決勝は相手との対戦競技にて順位を決めます。予選で良いタイムを出せるということは、速く滑ることができたということですので、決勝での経験を積むことで今後さらなる向上が可能です。予選で良いタイムを出せなかったということは、実力不足か普段の滑りが出せていないことが考えられますので、前者の場合はもっとトレーニングを積むことが必要ですし、後者の場合はメンタル、用具、体調不良等の問題が考えられますので、それらを大会にあわせた事前準備をしっかりと行うことが重要となります。彼らは、残念ながらメダル獲得とまではいかなかったものの、この1ヶ月間のトレーニングで多くのことを学び、今後の成長に欠かせない多くの経験を積んだことと思います。そして、それらを糧として、次回2011年3月末にイタリアで開催予定のジュニア世界選手権大会では、是非ともメダル獲得・上位入賞を目指して一生懸命トレーニングに励んで欲しいと思います。


◆雪崩での捜索
NZに来てかれこれ、もう少しで20年となりますが、今シーズン初めて体験した大きなできごとが2つあります。一つ目は、雪崩のために避難させられたことです。雪が多く降った後は、アバランチコントロールといって、雪崩のコントロールをスキー場のパトロールが爆薬を使って行い、安全が確認できてからコースをオープンします。
この日は、裏山のサースフェースというコースで雪崩が発生し、それに数人が巻き込まれたらしく、彼らの救出を行うためと、彼らの所在を確認するために、スキー場にいる全ての人に各自の車両(山へ登ってきた)にもどるように指示がありました。私はその時ちょうど午前のレッスンを終えて、レストハウスに帰るところで、レストハウスで待機してもよいか尋ねたところ、仲間の人数を確認して欲しいから、全員自分達の車両へ戻って待機するよう言われました。仲間が全員いることを確認してほっとし、車両で待つこと1時間、雪崩による被害者がいないことが確認でき、再びスキー場がオープンしたので、午後のレッスンを行うことができました。スキー場の安全管理に対する考え方の深さと、ひとりひとりのお客さんの安全と命というものをとても重く大切に受け止めているスキー場の姿勢に、とても感銘しました。
K-snow JAPANは、このようなスキー場で、安心して毎年キャンプができることを頼もしく思います。また、来年多くのスノーボード愛好者とニュージーランドにて滑れることを楽しみにしています。

もう一つのできごとは「ロードクローズよるレストハウスでの宿泊」ですが、スペースの都合によりキャンプ日記へ後日掲載 いたします。
http://www.k-snow.com/report/10-11/2010_nz.html

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2010年09月01日(水) No.65 (コラム)

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