佐々木耕司コラム

「スノーボードクロス」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
バンクーバーオリンピック開幕までいよいよあと約2週間となり、テレビでも多くの番組が放送されている今日この頃です。先日スノーボードパラレル大回転女子、日本代表の竹内智香選手が出演した”スポーツ大陸”(NHK)を鑑賞しました。世界のトップとなった彼女のスイスチームでのトレーニングの様子やアスリートとしての活動を特集したもので、スノーボードの選手が1つの番組全部にわたり特集されることは今までほとんどなかったので、このような番組が地上波全国ネットとBSにて放送されたことはとてもすばらしいことだと思います。(再放送予定は、BS1 2010年1月31日(日)午前11:10~11:55)

いままで、バラエティー番組等に出場するスノーボード選手はいましたが、今回のような番組(特にNHKのスポーツ特番)に起用されたことは、真のアスリート(世界に通用している選手)であるからこそできたことであり、スノーボードアルペン競技を知らなかった人たちにこの競技を紹介するよい機会になったとともに、パラレル競技を行っている選手や関係者に夢と希望を与えてくれました。私が現役の時、数度テレビに出演させていただいた中の一つで、大会密着取材等の番組に取り上げていただいたことがありますが、それと今回の放映は内容が大きく異なるものであり(大会のドキュメントのものではなくアスリート自身を特集したのもの)、選手をアスリートとして扱い、選手自身にフォーカスしたものでした。その後スノーボードブームが下火となり、テレビにスノーボーダーがでる頻度が少なくなってから約15年ほど経ちますが、今回のようにスノーボード選手が”アスリートとして”取り上げられたことをとても嬉しく思います。これは勿論彼女の努力はもとより、彼女のまわりの人々の支援があったからであるとともに、多くの関係各位や組織みんなで取り組んできた、”スノーボードをスポーツとして認知してもらおう”という活動が少しずつ成果となって現れてきたことであり、今後もさらに発展していくことを願って活動していきたいと思います。

さて、今回は”スノーボードクロスについて”お話ししたいと思います。
スノーボードクロスは、4〜6人同時に障害物のあるコースを滑走して順位を決める競技で、スピードをコントロールしながら、ジャンプ台や凸凹の障害物、バンク等をスムースに滑る技術が要求されます。安全に滑るためにはボードの上でバランスを保ちながら滑ることですが、前後のバランスが難しく、ジャンプなどのあとに後傾(後ろに傾くこと)になり転倒しやすいため、前にジャンプするのですが、これが前に行きすぎても着地でバランスを崩して転倒しやすいため、前に飛ぶ微妙な調整が必要となります。また、コースの流れをとめないようなライン取りも大事であり、そのためには、自分の狙ったところを滑るターンの技術が必要となります。
上手な選手は、滑走中のボードのばたつきが少なく、ボードが下(山の下)を向いた状態で長くターンを行うことができ、自身が狙ったラインを毎回コンスタントに滑ることができるため、勝ち上がって上位にいくことができるようになります。しかし、それらの人が毎回勝ち上がれるかというとそうでもなく、時の運が影響することがあります。それは、複数で同じコース滑るために、他の人とラインを奪いあって滑る際に接触したりしてバランスを崩したり、転倒したりして勝敗に影響するためです。
オリンピック競技でもあるこの種目を、K-snowではIWAKURAスノーボードクロス大会第1回目として2月7日にホワイトワールド尾瀬岩鞍にて開催いたします。(第2回目は3月7日、第3回目は3月22日)また、大会の前日に大会コースにて、以下の内容にて大会直前キャンプを開催いたしますので、これからスノーボードクロスの大会にチャレンジしてみたい方や伸び悩んでいる方、安全に楽しみたい方は是非とも参加してみてはいかがでしょうか?

SBXに大切な要素である、5つの点を中心に常設クロスコースにてコーチングを行います。
1.ベーシックトレーニング・・・基礎滑走技術の向上のために
2.スタートトレーニング・・・勝敗の7割をしめるといわれるスタート
3.セクションの滑り方・・・各セクションの安全かつ速い滑り方をレクチャー
4.ライン取り・・・コース内でのライン取りはとても重要
5.対戦トレーニング・・・ラインの奪い合いや駆け引きを学びます

<お知らせ>
◆西日本の皆様へ2/10-12に大山スキー場(鳥取県)にてSAJ公認 2010 西日本スノーボードアルペン選手権大会が開催されますので、是非ご参加ください。
詳細は、以下から”2010大会要項”をクリックしてください。
http://www.skitottr.gr.jp/

◆いよいよ4年に1度のオリンピックシーズンの到来です。バンクーバーオリンピック開幕まであと1ヶ月をきり、さまざまな特番が放映されていますが、今回もスノーボードワールドカップおよびバンクーバーオリンピックのテレビ解説を私が担当させていただくことになりました。以下の日程でオンエアーされる予定ですので、是非皆さん見てください。

<ワールドカップ放映>
放送局:NHK BS1
番組名:2010 FISスノーボードワールドカップ大会
放送日時:2月4日 19:10〜 女子SBX
         20:10〜 男子SBX
     2月5日 19:10〜 男子HP
         20:10〜 女子PGS(解説:佐々木)

<オリンピック放映>
放送局:NHK総合TV
番組名:まもなく開幕 バンクーバーオリンピック(仮)
放送日時:2010年2月13日(土)午前9:00~10:55
内容予定:バンクーバーオリンピックの見どころを余すところなく伝える。

放送局:NHK, テレビ東京(予定)
番組名:バンクーバーオリンピック スノーボードパラレル大回転女子(仮)
放送日時:2010年2月27日(土)午前4:00~(予定)

番組名:バンクーバーオリンピック スノーボードパラレル大回転男子(仮)
放送日時:2010年2月28日(日)午前4:00~(予定)

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2010年02月01日(月) No.55 (コラム)

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