佐々木耕司コラム

「最新レーシングボードによるケガ」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。

冬将軍の到来で日本全国の日本海側ではまとまった雪が降り、冬真っ直中のなかみなさんスノーボードを楽しまれていることと思います。この気候は昨夏のニュージーランドのグッドコンディションと似ており、絶好のシーズンインとなりました。そんな中、今年より将来世界を目指すジュニア選手達(Japan-Factoryジュニア)4名とのトレーニングを開始しました。中学1年生から高校1年生までのジュニアの選手は、群馬県のホワイトワールド尾瀬岩鞍で、学校の都合にあわせたトレーニングプランにて、私がカナダでの留学の際に習ったことを加えた最適なコーチングにて、雪上トレーニングを行っています。まず一番に心がけていることが、競技者長期育成計画にそったトレーニングで、発育レベルや競技レベル、年齢、体力、各育成レベルに応じたトレーニングを長期目標に沿って実践することです。そして次に心がけていることは、幅広いトレーニング方法の中からその選手にあったものを実践することやその選手に適した用具を使用することで選手の発育を妨げることなく、ケガを防ぎ早い上達が可能となります。個々の現在の状況と将来の目標に沿ったトレーニングプランを作成し実行していくことで、今しなければならないことや後でしてもよいことを明確にすることができ、選手自身が今しなければならないことを自ら理解して実践することで、選手としての心を育てます。これらをもとに、発育期のジュニアに大切な要素をふまえた、心・技・体の効率のよい雪上トレーニングを行いながら、それぞれの目標に向かって日々精進しています。

今回は、「最新レーシングボードによるケガ」についてお話ししたいと思います。先日、知人から最新レーシングボードによる重大なケガは発生していること聞き、心が痛んでいます。最新レーシングボードの特徴として、エッジのグリップ力が強く、高速でも安定して滑れるため体感スピードが麻痺してしまいやすく、ボードがとても走るため、荷重抜重のタイミングや乗り位置を間違うとボードが走りすぎたり、予想しない方向へボードが動いてしまい、予期できない転倒をしてケガへつながる場合があります。
スノーボードでケガをする最も多い例が、雪面に体部が接触するものです。
スノーボードは両足が固定されているため、転送する際に体部が雪面に接触しやすいものですが、予想して転ぶのと予想しないで転ぶのでは、身構えて衝撃を受け止めることができるのとできない違いがあり、ケガの度合いが大きくことなります。まずケガを予防するために大切なこととしては、そのボードの特性を理解することです。ボードのどこにのったらコントロールができるか、その際のボードの動きはどういうものか?ベストポジション以外でのボードの挙動はどういうものかを、事前にスピードがないところから確認し、徐々にスピードを上げていき慣れていくことが望ましいです。
弊社で取り扱っているケスラーカスタムボードは、最新レーシングボードの特性を持ち合わせた板であるので、初めてケスラーカスタムボードに乗る方や乗り方がわからない方を対象とした、スノーボード乗り方講習”を開催しております。正しい乗り位置や乗り方、ボードの特性を理解していただくことで安全に楽しくスノーボードを上達し、各々の目標達成へ向けてのお手伝いをさせていただいておりますので、是非多くの方に受講していただき、安全にケガなく末永くスノーボードを楽しんでもらえればと願っております。

今年も”地球温暖化防止への協力”の中の一つである、”できるだけ相乗りでの移動にて車の排出するCO2を減少させよう”、”急加速や無駄なアイドリングをしない等”という働きかけを実行しております。今後もできること、今しなければならないことを継続し続けて、このすばらしいウィンタースポーツを後世に引き継いでいきたいと思っています。皆様のご協力をお願いいたします。


<お知らせ>
◆西日本の皆様へ2/10-12に大山スキー場(鳥取県)にてSAJ公認 2010 西日本スノーボードアルペン選手権大会が開催されます。また、事前合宿が2/8-10に同スキー場にて開催され私がコーチを担当しますので、基本の確認や世界最新の滑りに興味のある方は是非ともご参加ください。
詳細は、以下から”2010大会要項”をクリックしてください。
http://www.skitottr.gr.jp/

◆いよいよ4年に1度のオリンピックシーズンの到来です。バンクーバーオリンピック開幕まであと1ヶ月をきり、さまざまな特番が放映されていますが、今回もスノーボードワールドカップおよびバンクーバーオリンピックのテレビ解説を私が担当させていただくことになりました。以下の日程でオンエアーされる予定ですので、是非皆さん見てください。
(2月初旬オンエアー分は来週末に都内のスタジオで収録、2月13日は都内のNHKにてライブの予定、2/27, 2/28は現地(バンクーバー)での解説です)

<ワールドカップ放映>
放送局:BS1
番組名:2010 FISスノーボードワールドカップ大会(仮)
放送日時:2010年2月初旬

<オリンピック放映>
放送局:NHK総合TV
番組名:まもなく開幕 バンクーバーオリンピック(仮)
放送日時:2010年2月13日(土)午前9:00~10:55
内容予定:バンクーバーオリンピックの見どころを余すところなく伝える。

放送局:NHK, テレビ東京(予定)
番組名:バンクーバーオリンピック スノーボードパラレル大回転女子(仮)
放送日時:2010年2月27日(土)午前4:00~(予定)
番組名:バンクーバーオリンピック スノーボードパラレル大回転男子(仮)
放送日時:2010年2月28日(日)午前4:00~(予定)


次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2010年01月16日(土) No.54 (コラム)

No. PASS