佐々木耕司コラム

「ボードを踏むということ」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。毎年恒例のニュージーランドキャンプが終了しました。今年のMt.Huttは2週間ほど早い冬の訪れのため豊富な積雪のグッドコンディションの中、快調なシーズンの滑り出しができました。雪が多い年は、天気の移り変わりが激しくなることが多く、その通り、雪が降ったり、8月中に雨が降ったり(私が過去に過ごした中で2回目の経験)、春が2週間ほど早く訪れ春の嵐による強風のためスキー場のクローズ率が高くなったりしましたが、Mt.Huttの1シーズンのほとんどの天候と雪質の中で、スノーボーディングを行うことができました。アウトドアスポーツならではの醍醐味である、自然を感じながらスポーツを行うということを参加された皆様は体験しながら上達できていれば嬉しく思います。このような環境を体験できたことをうれしく思うとともに、Mt.Huttでスノーボードキャンプを今シーズンも無事に開催できたことに感謝いたします。

話は変わりますが8月19日に悲報が届きました。以前ニュージーランドキャンプのジュニアコースに参加してくれた仲間が不慮の事故にて17才という若さでこの世を去ったとの日本からの連絡でした。。。昨シーズンに見事プロ資格をとり、今年から活躍が期待されていたばかりの突然の悲劇で、彼と共にNZで過ごしたスタッフや友人はしばらく言葉を失いました。
参加当時中学生であった彼は当時からスノーボードがとても上手く、スキー場でとても目立っていました。彼とNZ過ごした3シーズンはとても多くの思い出があり、走馬燈のようにつぎつぎと瞼の裏によみがえってきました。一緒に滑ったことはもちろん、急に歯が痛み近所の歯医者へ私が引率して通院したこと、弁当を残して叱ったこと、垣根に蹴りこまれたサッカーボールを一生懸命探して取り出してくれたこと・・・・など。。。
マサ君、ニュージーランドにて君と毎日一緒にスノーボードやサッカーをして過ごした日々のことを思い出しています。君の果敢なスノーボーディングや明るく積極的な生き方に元気づけられ、勇気をもらった日々が昨日のことのようです。いつまでも君のライディングは私たちの心の中にあり、これからも一緒に滑り続けていくことは間違いないでしょう。8月19日という日は、これからもきっと私たちはニュージーランドにいると思いますので、これらも君のことを毎年思い出すことでしょう。この場を借りて、心からご冥福をお祈りします。

さて、今回は”ボードを踏む”ということについてお話ししたいと思います。
今回のNZキャンプでは、参加者へのレッスンで一番多く伝えた、”ボードを踏む”ということは、スノーボードのすべての基本であり、上級者のほとんどの人ができるテクニックですが、実際にボードを踏むとはどういうことかご存知でしょうか?
ボードの上でバランスを取って、上半身を安定させ、転ばないために必要不可欠なことで、簡単にいえば、自分の体重もしくはそれ以上の重さをボード全体に伝えることです。そのためには、両足を大きく曲げたり伸ばしたり動かします。
実際のレッスンでは、正しい脚の動きを習得してもらうために、腰(お尻)の上下動を意識したエクササイズを行います。コーチ陣と参加者の滑りや安定感の違いはこの運動を以下のようにできるかどうで決まってくるといっても過言ではありません。

それでは、どういう運動の種類があるか以下へ比較してみましょう。

 1.できる/できない
 2.大きい/小さい
 3.常にできる/たまにできる
 4.自分の意思通りにいつでもできる/たまにしかできない
 5.どんな雪質、斜面でもできる/限られた雪質、斜面のみできる
 6.速いスピードでできる/遅いスピードのみでできる

スノーボードを滑っているときにボードの上で動くということは、バランスを崩しやすく、転倒する可能性が高くなるので難しいことなのですが、上達への近道のコツとしては、転ぶことを恐れずとにかく動いて滑ることが大切です。

10月3日-4日に千葉で開催するオフトレキャンプでは、正しい姿勢(ポスチャー)の確認や正しい運動の方法、オフシーズンにできるスノーボードを意識したトレーニングの紹介等を行います。また、11月のヨーロッパでのキャンプでは実際に雪上の上で上達にかかせない上下動(スノーボードの大基本)を行いますので、早く安全に上達を望まれる方でお時間のゆるすかたは是非ともご参加いただければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2009年09月01日(火) No.48 (コラム)

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