佐々木耕司コラム

「ビックレースウィーク(大会週間)、試合に出場する効果」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
ここホワイトワールド尾瀬岩鞍では、一晩で約20cmの新雪がつもり、再び白銀の世界となりました。朝は良質の雪にて爽快にスノーボードを楽しみ、午後からは雲一つない快晴の中、雪化粧された壮大な尾瀬の山々を見渡しながらの滑走とアウトドアスポーツの醍醐味を味わい、ハイシーズンさながらの雪質の1日を満喫しました。

今回は、「ビックレースウィーク(大会週間)、試合に出場する効果」についてお話ししたいと思います。3月の第1週目と第2週目はビックレースが立て続けに行われた、レースウィークとなりました。詳細は以下のとおりです。
3月4日-7日:FIS公認ジュニア世界選手権大会3月11日:SAJ公認ジュニア全日本選手権大会3月12日-14日:SAJ公認第15回全日本選手権大会昨年はイタリアで行われたジュニア世界選手権大会は、今年は北志賀(長野県)にて開催されました。Japan-factory所属の横井選手が初出場ながらパラレルジャイアントスラローム(PGS)にて9位(日本人最高位)となりました。大会は、前日のスノーボードクロスの大会のスケジュールが遅れた影響で、PGSは午後1時すぎからの開始となったため少しやわらかい雪のコンディションとなりましたが、彼持ち前の体のバネを活かしたスムーズなライディングにて予選で3位(赤コース)、総合8位にて決勝進出しました。
決勝のパラレルでは、1本目の差をつめて追いつきましたが、となりの選手を気にして焦ってしまい、コース中盤で転倒したため2回戦へ進むことができませんでした。しかし、初の世界レベルの国際大会で決勝へ進み、外人選手相手にパラレル対戦を行ったことは、今後につながる大きな経験を得たことと思います。
八海山スキー場(新潟県)にて開催されたSAJ公認ジュニア全日本選手権大会では、Japan-factory所属の篠崎選手が小学生の部で2冠(GS, SL)を獲得しました。来期は中学生の部で強豪とのレースとなることが今から楽しみです。
上越国際スキー場(新潟県)にて開催されたSAJ公認第15回全日本選手権大会では、Japan-factory所属選手3名が入賞しました。(3位斯波選手、6位鶴岡選手、10位深見選手) 

1つの試合に出場することは、おおよそ練習の7日から10日分の成果があると言われています。それは、練習の時の心理状態とは異なり、自分の最高のパフォーマンスを発揮することに集中するためであり、プレッシャーがかかる場面で、できることやできないことがあり、それに気づくことで多くを学ぶことができるからです。試合で得た結果は、その選手を落胆させるものもありますが、それをいかに発奮材料として受け止められるかが選手に必要な要素であり、選手自身が持っている能力の一つであります。準備が不十分で試合へ出場した場合のミスは、次回はしっかりと準備をしなければと思う以外はその選手の成長に役に立たないケースが多く、それに対してしっかりと準備をして試合に出場した場合のミスは、その選手をさらに大きく成長させる大きな糧となります。今期の戦いは終わりましたが、次回へ向けてはすでにスタートしています。参加した選手の心中はそれぞれと思いますが、今回の結果を真摯に受け止め、誰よりも強く目標達成への思いを持ち、成功のために惜しみない努力をしたものが王者となります。
大きく伸びる選手の取り組みの1例をご紹介しますと、主要な大会が終わった春にしっかりと基礎の確認および来期へ向けての滑り込みを行い、そのシーズンの滑りや気持ちおよびイメージを整理することで次シーズンへ向けての早いスタートが可能となるため、さらなるステップアップが可能となります。
大きな大会が終わってそのままシーズンを終了した場合、来期のスタート時点で、まずイメージや滑りの取り戻しからはじめ、その後に基礎の確認、新しい用具への対応等、と出遅れてしまうことが多々ありますので、上記と比べてみるとその差は歴然です。K-snow JAPANでは、ゴールデンウィークキャンプまでの期間に、スプリングキャンプを追加開催する予定(4月17-18日、25-26日、29日)ですので、是非ともご参加いただき、良いイメージで今シーズンを終了し、翌シーズンの快調な滑り出しの準備を行ってみてはいかがでしょうか?

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2009年03月16日(月) No.41 (コラム)

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