佐々木耕司コラム

「ワールドカップ郡上大会」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。私は、先日日本で開催されたワールドカップ郡上大会の一時帰国からカルガリーに戻ってきました。(こちらは、最低気温マイナス6度、最高気温4度と以前の極寒から比べるととても暖かく、街の雪がとけ始め徐々に春の陽気となっています)

今回は、日本で開催された「ワールドカップ郡上大会」についてお話しします。今回は、首都圏から近いスキー場でスノーボードのワールドカップが開催されたため、3日間(SBX, HP, PGS)を通じてとても多くの人が観戦に来られました。その中には、以前ともにワールドカップの第一線で戦っていた旧友や選手がきており、家族を連れて来ている人もおり、久しぶりの再会を満喫しました。

大会1日目のスノーボードクロス(SBX)は、日本人男子選手は残念ながら決勝進出とはなりませんでしたが、女子の藤森由香選手が健闘し12位となりました。
大会2日目のハーフパイプ(HP)当日は、大荒れの天気となり約40〜50cmもの大雪が降り続き、一時は大会の中止が危ぶまれましたが、約50名にもおよぶコース整備係員のおかげで無事に大会が開催されました。日本人男子では、藤田一海選手がみごと初優勝しました。彼は、現在ハーフパイプのワールドチャンピオンである青野令選手と同じ愛媛県出身で、年も同じ17歳でありワールドカップ2回目の出場で初優勝という快挙をなしとげました。女子は山岡聡子選手がおしくも準優勝となり、中国のスン選手が初優勝をしました。
大会3日目のパラレルジャイアントスラローム(PGS)は、前夜から朝にかけて多くの積雪がありましたが、夜通しの機械による排雪作業と予定を1時間遅らせてHP同様の大勢のコース係による排雪作業にて、とても滑りやすいバーンができあがり、天気も回復し快晴のグッドコンディションの中、大会が開催されました。日本人女子の竹内智香選手は、国内2度目の表彰台を目標に挑みましたが、決勝1回戦目で敗戦し12位となりました。日本人男子は、ワールドカップ初参戦の斯波正樹選手が惜しくも0.4秒差で決勝進出(16位)を逃し、日本人最上位の23位となりました。本人曰く、「1本目のようにライン取りとボードの走りがうまくかみ合ったすべりが2本目にもできれば、必ず決勝に残りベスト8に勝ち進むことができる」というコメント通りの果敢なライディングは、観戦しているギャラリー達から「外人のような滑りで、日本人離れしている」というアグレッシブな滑りでした。パラレル競技は多くの経験が必要な種目ですが、今回の彼の滑りや数年前のケガ(膝の靱帯断裂)からの驚異的な回復とその後の必死な努力を見て、彼が世界クラスの表彰台で中央に立つ日はそう遠くないように思いました。

今大会においては、開催市町村を始め、早い時期からの準備を行っていただいた実行委員会の方や多額の大会運営費を集めていただいた関係者、大勢の地元のボランティアの方、高鷲スノーパークスキー場、等々の本当に多くの方々の協力と努力により、初開催にもかかわらず大成功を収めることができました。
連日朝早くから作業をしていただいたボランティアの方や、大雪の降りしきる寒い中、何度も何度もコース整備を行っていただいたスタッフはじめその他多くのスタッフと一緒に大きな達成感を得ることができ、この大会に携わらせていただいたことに感謝いたします。そして、今後も我がふるさと日本でこのような大きな国際大会が開催され続けることを期待しています。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2008年03月01日(土) No.24 (コラム)

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