佐々木耕司コラム

「プレート選びのポイント」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。先日、Park City(U.S.A)へNorth American Tourの大会サポートへ行ってきました。

パークシティーは、アメリカのユタ州にあり2002年の冬季ソルトレイクオリンピックの時にスノーボードのPGSとスキー競技が開催されたスキー場で、カルガリーからは南へ約1500km(15時間)を車で移動しました。日本ですとおおよそ青森から広島までの距離となり、ものすごく遠いように感じますが、さすがアメリカ大陸!とにかく広い平野が続き、道路はほぼ真っすぐで、時速120kmでのクルーズコントロール(一定速度走行装置)を利用した移動のため、それほど苦ではありませんでした。(とはいっても私はただ助手席にすわっているだけでしたが。。。)通常、カナダからアメリカへの移動は車の利用が多いのですが、カナダの西側から東側への移動は、途中にいくつもの山脈があり、高速で移動できる道路がないので飛行機で移動します。

今回の大会についてですが、大会の数日前から降り積もった雪の影響で、バーンがとても柔らかかったため、当初の予定を入れ替えて、2月6日PSL、2月7日GSというスケジュールに変更されました。そのような状況で、大会の2日間に再び降雪の予報があったため、無事に大会が開催されるか心配していましたが、なんとか天気はもちこたえ、大会は無事に行われました。
(大会が終了したとたんに雪が降り始め大荒れの天気となりました)大会の数日前まで降った柔らかい雪は、大会ができるレベルまでしっかりと圧雪され、大会中は経験豊富な競技役員がコースを整備してくれたおかげでとてもすべりやすいコースとなり、その手際の良さにさすがオリンピックを開催したスキー場であると感心されられました。

カルガリースノーボードチームからは10名の選手が出場し、PSLでは、日本から武者修行にきているJapan-Factory所属の斯波正樹選手が4位(予選2位(2本合計):予選1本目は最速タイム)となり、GSでは、同じくJapan-Factory所属の深見将志選手がGS4位(1本目6位)となりました。斯波正樹選手は、決勝3回戦までは危なげなく勝ち進みビックファイナル(決勝)への進出が期待されましたが、惜しくもミスをしてしまい、最終的に4位となりました。深見将志選手は、1本目、83秒というとても長く、トップシードの半数がゴールできない程のハードなGSコースを滑りきり、地元アメリカのクリスクルッグ選手(2002年ソルトオリンピック銅メダル)よりも良い順位(6位)でゴールしました。トップとの差がさほどなったので、2本目に1本目と同様の良い滑りができれば表彰台にあがれる可能性が高まる中、2本目を滑り、おしくも4位の結果でした。
アメリカナショナルチーム全員が出場しているレベルの高い大会において見せた彼らの滑りは、今後の日本代表チームの中心となっていくことを予感させるものでした。

斯波正樹選手は、2月22日より開催されるワールドカップ郡上大会(岐阜県:高鷲スノーパーク)へ出場することとなりました。(PGSは2月24日)彼の世界レベルまで進化した滑りと世界トップレベルの滑りをまじかで見られるチャンスですので、是非ともみなさまお誘い合わせの上、応援に来ていただければうれしく思います。私も一時帰国して競技通訳兼役員として大会に参加します。
そしてその後、日本一を決める全日本選手権大会(PGS:2月27日)が上越国際スキー場(新潟県)にて開催されます。見所としては、ケスラージャパンライダーで、ワールドカップにおいて女子で最もメダルに近い日本代表の竹内智香選手や、現在男子選手の中で一番ケスラージャパンボードを自在に操ることができ、今シーズンコンチネンタルカップにて日本で1番数多く表彰台に上がっている斯波正樹選手、Park City大会で地元の銅メダリストライダーよりも早い滑りをした(1本だけでしたが)成長著しい深見将志選手、ゴールさえすれば断然の速さを持つ小栗大地選手(佐々木塾チーフコーチ)の滑りが必見です。
是非とも応援にきていただければうれしく思います


さて、今回は「プレート選びのポイントについて」についてお話しします。
プレートを装着した際のメリットについては、前回説明しましたが、そのメリットをいかすためにもプレート選びはとても大切です。
プレートの形状には大きく分けて二通りあり、一つは縦長の帯状のものをエッジに沿って平行に2本とりつけるもの、もう一つは四角い形のプレートをそれぞれの足の下に(計2枚)取り付けるものです。

代表的なメーカーとして、前者は、GREX(日本)の3in1, 2in1、ハングルプレート(スイス)、VIST(イタリア)等があり、後者は、GREX (日本)のFCX-SR やAPEX(オーストリア)等があります。
帯状のタイプは、ボードのフレックスとトーションに張りを持たせボードがしなる際に、パワーがロスなくエッジに伝わりボードの走りが増すことが特徴で、四角い形で前足と後ろ足がセパレートになっているタイプのものは、重量が軽く操作性を重視していることが特徴となります。高速系のタイムレースで使用するのであれば棒状のタイプがオススメで、中速系までのタイムレースやスノーボードクロスにおいてはセパレートタイプがオススメです。男子は両タイプとも使用可能ですが、一般の女子については、帯状のものを使用する場合に、それなりのパワーが必要となります。

自分にあったプレートを選ぶ際のポイントは、下記のようになります。
・スノーボードとの相性(形状や重量、フレックスバランス等)
・試乗した際のフィーリングとタイム差(プレートの付いているものと付いていないもの)
・滑走可能日数(プレートに慣れ自由自在に操作できるようになるまでに要する日数)
・筋力、体重など

上記について一人で決めかねる場合は、購入する前にテストしてみたり、実際に使用している選手のコメントなどの情報を多く集め信頼のおける人に相談することをオススメします。

K-snow JAPANとGREX社(佐々木塾提携パートナー)では、プレートについての開発を10年前より行っておりますので、興味のある方は、ホワイトワールド尾瀬岩鞍にて小栗大地プロが行う1DAYレーシングキャンプやポールレッスンなどにご参加いただき、プレートについて試乗や相談をしてみてはいかがでしょうか?

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2008年02月16日(土) No.23 (コラム)

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