佐々木耕司コラム

「速く滑り降りるためには」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。先日、スキーワールドカップを子供と一緒に観戦してきました。種目は、レイクルイーズにて毎年開催されている男子ダウンヒル&スーパーGでした。例年は、ヨーロッパにてキャンプを開催している期間中にテレビで観戦しているのですが、今年はカナダへ来ているためLiveでの観戦となりました。
レイクルイーズは、カルガリーから北北西へ約180kmのところにあるリゾート地で、とても寒く、人工降雪がメインのスキー場です。昨年テレビで観戦したときは、氷点下25度の極寒の中レースが行われていたので、今年もそうなることを想定して完全防備にてスキー場へ行きましたが、今年は北米一体の暖冬の影響でマイナス5℃程度の気温でした。まずはリフトの下を横切るコースを滑走する選手の滑りを観戦した後、コース序盤の斜面変化のジャンプを観戦して、一番の観戦スポットとなっているフィニッシュエリアにてトップの選手の滑りを観戦しました。フィニッシュエリアには大型スクリーンがあり、選手の滑走の様子や選手名・タイム等が計時されるため多くのギャラリーが集まっていました。地元カナダの応援がほとんどでしたが、熱狂的なヨーロッパのオーストリアの国旗を持った人たちが応援にきていたのには驚かされました。私達が行った日はスーパーGが行われ、前日のダウンヒルレースで優勝した地元カナダのヤン選手の2連勝を地元の人たちは期待し、応援していましたが、8位という結果でした。
初めてliveで観戦した高速系スキーレースの感想は、最高スピードが120kmを超えるレースで、1位から10位までのタイム差が1秒しかないという超ハイレベルの戦いのすごさを感じるとともに、選手が滑走している時の音が思ったよりも静かであり、鍛え上げられた選手の動きがとてもしなやかでスムースであったことに、テレビだけで見ていたイメージとの大きなギャップを感じました。テレビですと、臨場感を出すためにマイクで拾った音が常に聞こえていたり、選手の体の動きをアップにて映し出しているので、このようなギャップを感じたと思います。
雪上スポーツを行う身としては、雪上最速のレースをliveで見ると言うとても貴重な体験をすることができて嬉しく思いました。(決して、彼らみたいに滑ってみたいとは思いませんでしたが・・・・)

さて、今回は「速く滑り降りるためには」についてお話ししたいと思います。スノーボードのレースは、山の上から下へ制限されたコースを如何に早く滑り降りるかと言うものです。その状況の中、誰よりも速く滑り降りるためには、どうしたらよいでしょうか?
斜面下側にスノーボードを向けてボードが暴れないようにすればどんどん加速していきます。この状態が一番速く滑ることができ、その反対にスノーボードを斜面下側に対して横向き(直角)にすることで減速・停止することになります。
規制されたコースを速く滑るためには、ターンが要求されるので、必要最低限かつ減速要素の少ないターンで進路変更をすませ、できるだけスノーボードを斜面下側へ向け続け、ボードが常に雪面にコンタクトしているように圧を掛け続けることが大切です。また、減速要素を減らす事も大切であり、空気抵抗や雪面抵抗を減らす工夫が必要となります。
K-snowのキャンプでは、効率の良いターンの習得を始め、レーシング系キャンプでは、速く滑るためのターン理論やコツを指導するとともに、減速要素を減らすことについてのレクチャーを行っておりますので、「誰よりも速く滑りたい」という方は是非一度、ホワイトワールド尾瀬岩鞍でのキャンプや年末年始やゴールデンウィークの志賀高原キャンプにご参加頂ければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2007年12月16日(日) No.19 (コラム)

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