佐々木耕司コラム

「ケスラースノーボード」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。私は今、「CSBA(Canadian Sports Business Academy)」のスノーボードアスリートプログラムの監修と講義&講習を行うためにカナダ(ウィスラー&ブラッコム)に来ています。
CSBAとは、カナダにあるスポーツビジネス専門学校(カナダ政府認可)で、徹底した教育理念にて運営されており、プロスノーボーダーや日本代表選手となることを目標としたアスリートコースの生徒達は、ウィスラー&ブラッコムスキー場にてスノーボードのトレーニングを行い、カナダの大自然の中でさまざまなアウトドアスポーツを通じてフィジカルトレーニングを行っています。カナダの文化に接しながら国際的に活躍するスノーボーダーをめざして、英語の習得にも務めています。
こちらウィスラーの状況は、今週始めから快晴の天気が続いています。日射しがとても強く、風のない時は肌にぴりぴりとするほどですが、少し風のある日や、日陰はとても過ごしやすい陽気です。通常6月上旬までのスプリングシーズンは、ウィスラースキー場がオープンしているのですが、今シーズンはブラッコムスキー場がオープンしています。これは、来シーズンに開通するウィスラーの山頂とブラッコムの山頂を結ぶ大規模なゴンドラの増設工事のためです。山頂間を4本の支柱のみで結ぶゴンドラについて、個人的な意見としては、現状でも充分自然の中でのスノーボーディングを楽しめるにもかかわらず、大がかりな増設工事は環境破壊やリフト券の高騰、安全面での不安等が懸念されるため賛成はし難いものです。
スキー場の状況は、暖冬少雪であった日本やヨーロッパと比べてとても豊富な積雪があり、充分な滑走が可能となっております。雪質は春のソフトスノーですが、フリーライディングを存分に楽しめるだけの積雪があり、スノーパークも楽しめるだけの大きさと形を保っており、良好なコンディションとなっています。

さて今回は、「ケスラースノーボード」について少しお話ししたいと思います。現在ワールドカップスノーボードのアルペン種目で、約8割の選手が使用しているレーシングスノーボードがあります。それは、「ケスラースノーボード」と言う、スイスのハンドメイド(1本1本手作り)スノーボードです。世界一を競う大会で8割ものシェアを占める理由は、とても安定し、速く滑ることができるからです。ワールドレベルの選手が約40秒のポールコースにて、他のボードと滑り比べた場合約1秒の差が出ると言うデータがそれらを裏付けています。その速さの秘密はスノーボードの構造にあります。最速のすべりに大きな影響をあたえるエッジグリップやサイドカットシステム(KST)や、スノーボードの柔らかさとエッジのグリップに大きく影響するコア(心材)にウッド(木)を使用し、それを微妙に変化させることで乗り手の体重や身長、パワーにあった最適なスノーボードを作り上げることができるのです。
ケスラースノーボード代表のケスラー氏はもとは家具造りの職人であり、スキー&スノーボードのレースやインストラクターを行っていた経歴があるので、このような特殊な構造のボードを20年かけて作り出すことに成功し、その結果、2大会(2002/2006)のオリンピックで6個のメダル(3xGOLD 2xSILVER 1xBRONZE )を獲得しています。

K-snow JAPANでは、日本人選手がメダルを獲得することと世界最速のスノーボードを多くのスノーボーダーに使用していただくことを目標に、このボードを輸入販売しようと活動しており、このたび日本への正規輸入販売を行うこととなりました。ハンドメイドと言う特製から市販のボードよりも少し値段設定が上ですが、是非皆さんに乗っていただき、目標達成のために役立てていただければ嬉しく思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。楽しみにしておいてくださいね。
2007年06月01日(金) No.12 (コラム)

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