佐々木耕司コラム

「サマーキャンプ」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。私は現在、CSBA(カナディアンスポーツアカデミー)の監修のためにカナダのウィスラーに来ています。

今回は「サマーキャンプ」についてお話ししたいと思います。サマーキャンプでは、それぞれの主催団体がスキー場からバーンを借り、そこにキッカー(エア台)やハーフパイプ、その他のアイテムを各々で増設・管理・整備して、その滑り方等をお客様へ教えています。ブラッコムスキー場(ウィスラースキー場の向かいにあるマウンテン)の上部にある氷河では、たくさんの団体が毎日朝8時から15時まで、7月の終盤までの期間、サマーキャンプを行っています。スノーボードではCSBAを含む3団体、スキーのモーグルが2団体、スキーのフリースタイルキャンプが2団体、スキーのレーシングが5団体と言った、たくさんのチームが練習しています。

冬のシーズンのキャンプとサマーキャンプの大きな違いは、シーズン中は普通に何もないコースに、各キャンプごとに様々なアイテムをシーズン中に積もった豊富な積雪を使って、様々な形状のものを集中的に作り、そこを滑ると言う特徴があります。雪質は、朝は固くそれ以降は徐々にゆるんでいきますが、標高が高いため、それ程ザクザクにならずにとても滑りやすい状況です。

キャンプに参加する人の利点としては、冬と比べて気温が高いため疲れづらく、雪がすぐに柔らかくなるのでケガの心配がなく、安心して滑れるということです。山頂までの移動に時間が少しかかりますが、気候は暖かく、緑に囲まれた山肌の上をリフトで登っていくのでとても気持ちが良いです。天気の良い日にはリフトの上でランチを食べたり、鹿やクマやリスなどの動物を見ることが出来たり、ちょっとしたピクニック気分を味わうこともできます。

サマーキャンプはここカナダだけではなく、北米の他のスキー場やヨーロッパの氷河スキー場などでも、同様のサマーキャンプが数多く行われています。各キャンプは、アイテムやコーチの質などにより、格付けがされています。
以前に行ったことがあるフランスの氷河でのサマーキャンと比べると、カナダでのサマーキャンプは、スキーのフリースタイルやモーグルのキャンプが充実していると思いました。それに対してフランスのサマーキャンプは、スキー場の麓に多くのアクティビティーがあり、アフタースキー&スノーボードの余暇を楽しむ施設が充実していると思いました。
ここ最近、フリースタイルスキーのキャンプが増えているように感じます。これは、用具の進化とゲレンデ環境の変化によるものや、新しい遊び方が一部のスキーヤーに指示されていることや、個人の好みによる滑り(後ろ向きに滑ったり、アイテムの上で飛んだり回転をしたり)をする人が増えてきているからだと思います。また、これはスノーボードで流行した種目がスキーに反映されてきていると言うことであり、ひょっとすると近い将来にスノーボードのモーグルが再度、流行る日がくるかもしれませんね。
(注)夏の時期に行われる冬の南半球で開催されるキャンプもサマーキャンプと呼ばれる場合もありますが、一般的には、上記でお話しした(アイテムが多く増設される)北半球で行われるキャンプのことを指しています。弊社では、毎年恒例の南半球でのニュージーランドスノーボードキャンプを今年の夏も開催します。キャンプの日々の様子はWEBページにて公開して行きますので、お時間のある時に是非とも覗いてみてください。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。楽しみにしておいてくださいね。
2006年07月01日(土) No.2 (コラム)

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