佐々木耕司コラム

「文化としてのスポーツ」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。私は今、昨年の5月から始まった「CSBA(Canadian Sports Business Academy)」のスノーボードアスリートプログラムの監修と講義&講習を行うためにカナダに来ています。
CSBAとは、カナダにあるスポーツビジネス専門学校(カナダ政府認可)で、徹底した教育理念にて運営されており、プロスノーボーダーや日本代表選手となることを目標としたアスリートコースの生徒達は、ウィスラー&ブラッコムスキー場にてスノーボードのトレーニングを行い、カナダの大自然の中でさまざまなアウトドアスポーツを通じてフィジカルトレーニングを行っています。カナダの文化に接しながら国際的に活躍するスノーボーダーをめざして、英語の習得にも務めています。
こちらウィスラーの状況は、数日前までは曇りや雨の肌寒い天気でしたが、本日は澄み渡る青い空が広がる五月晴れ(?)となり、体を動かしたくなるほどのとてもすがすがしい陽気となりました。ウィスラースキー場の状況は、雪質は春のソフトスノーですが、昨年よりも多くの積雪があり、ハーフパイプやスノーパークはそこそこの大きさと形を保っており、良好なコンディションです。
 
さて今回は、「文化としてのスポーツ」について少しお話ししたいと思います。現在滞在しているカナダを例に話しをしたいと思います。
こちらカナダでは、アメリカの影響をうけていることが少なからずあるため多くの国民がスポーツを行う習慣があります。その背景としては、以下のことがあげられます。

・週休2日の労働体制
・あらゆるスポーツを行う施設が充実している
・国民の健康に対する意識が高い
・施設を利用しやすい環境である
・各スポーツにしっかりとした指導者がいる
・指導者の質が高く探しやすい
・国をあげての健康推進事業がある
・他 

実際に現地で感じることとしては、毎日の業務の終了時間をほとんどの人が守り、仕事とプライベートをしっかりと分けていることが日本と比べて大きく違い、健康のためや食事を美味しくとるため(?)に仕事の後にジムへいったり、ランニングをしたりと、体を動かしている人が多いように感じます。また、子供の教育についても学校の校庭がない小学校での体育授業は、公共の施設(スタジオ:日本で言う体育館、プール)を利用して、専属の指導者が指導をしています。例えばトランポリンの場合、資格制度がしっかりとしていて、ある一定の資格を持つと学校の体育の授業を受け持つことが出来るばかりでなく、公共施設の使用許可がおりるため、トランポリンを楽しみたい人を対象とした教室や学校の授業よりも高度なトレーニングを望む子供達を集めてトランポリン教室を開催することが可能です。それにより、指導者はその種目を専属に教えることで生計が立てられるため、より専門的な知識を得られ、レベルの高い指導者が育ちやすい環境となっています。

こちらは、スポーツをするための環境が手軽にあり利用しやすいばかりでなく、スポーツに費用がかかるのは健康のために必要であると言う考えが、文化として国民に浸透していると思いました。
現在、国の補助のもと、2010年の冬期オリンピックへ向けてのプロジェクトが開始されており、オリンピック候補選手以外の若手選手へも、ナショナルチームと同等の強くなるトレーニング環境が用意され、強化が始まっています。
日本もこうした状況をしっかりと周知して、諸外国のように国をあげてのスポーツ振興を、国技以外にももっと積極的に行って欲しいと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。楽しみにしておいてくださいね。
2006年06月01日(木) No.2 (コラム)

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