佐々木耕司コラム

「用具について」、「フレックス」と「トーション」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。

今回は、「用具について」、「フレックス」と「トーション」についてお話ししたいと思います。
スノーボードは、脚に3つの用具を装着し、雪の上を滑走するスポーツです。まず最初は、用具に慣れることから始まり、その内にその用具を使いこなし(=用具の性能を存分に使いこなす)ながらさまざまなシチュエーションを滑走するをことが醍醐味となります。

3つの用具とはご存知のように、ボード、ブーツ、バインディングのことであり、さまざまな種類のものが販売されています。その違いは、「色」、「サイズ」、「機能」、「固さ」、「強度」、「デザイン」があります。それらを上達に影響しないものと上達に影響するものに分けてみると以下のようになります。

■上達に影響しないもの(個人の好みで選べるもの)
・色
・デザイン

■上達に影響するもの(個人にあったものを選ぶ必要があるもの)
・サイズ
・機能
・固さ
・強度

それでは、上記の「上達に影響するもの」について詳しく説明していきましょう。
<実際の用具ごとの選別基準>
1.「サイズ」
・ボードのサイズは、スタンス幅、ブーツの大きさ、滑走スピードに関係します。
・ブーツ、バインディングのサイズは、ジャストフィットのものを選ぶことが大切です。

2.「機能」
・ボード、ブーツ、バインディングの機能は、自分が行いたいライディングに必要な機能を備えているものを選ぶと良いでしょう。

3.「固さ」と「強度」
・ボードの固さと強度は、各自の体重と滑走スピードと筋力(※)に関係します。
・ブーツの固さと強度は、各自の体重と滑走スピードと筋力(※)に関係します。
・バインディイングの固さと強度は、スノーボードとブーツのマッチングが大切です。
※ここでいう「筋力」とは、正しいタイミング・正しいテクニックで発揮できる筋力をさします。

続いては、「固さ」と「強度」について、もう少し詳しく説明します。
◆固さ=フレックス
・ボードの場合、ボードのセンターを押した際のしなりの固さを指します。
・ブーツの場合、足首をつま先の方向へ曲げた際のしなりの固さを指します。
・バインディングの場合、ブーツを装着した状態で足首をつま先の方向へ曲げた際のしなりの固さを指します。

◆強度=ねじれ、トーション
・ボードの場合、ボードのねじれの強度を指します。(ボードのトップとテールを持ち、左右{片方エッジからもう片方のエッジ方向へ}に捻ってみたときの固さ)
・ブーツの場合、左右へひねった際(膝を内側や外側に動かした際)のねじれの強度を指します。
・バインディングの場合、左右へひねった際(膝を内側や外側に動かした際)のねじれの強度を指します。

用具の見極め方や自分に合った「フレックス」と「トーション」の見分け方としては、以下のことを参考にして”現在の自分”と’少し未来の自分’のどちらかにあわせるように考えてみると良いでしょう。
1.現在の滑走レベル
2.体重
3.滑走限界スピード
4.年間予想滑走日数

時間とお金に余裕のある方は、”現在の自分”にあわせた用具と’少し未来の自分’にあわせた用具を揃え、上達した際に買い換えていくことが早い上達につながりますが、実際には、なかなかそのような方は少ないので、上記の4.に重点を置いて考えると良いと思います。滑走日数をあまり多く取れない方が、’少し未来の自分’にあわせた用具を選択してしまうと用具に慣れることに時間を費やしてしまい、結果的には、”現在の自分”にあった用具を使用した方が早い上達となる場合がありますので注意が必要です。
スノーボードは滑走日数と滑走距離に比例して上達するスポーツですので、自分のレベルにあったものをしっかりとチョイスすることが大切です。そして、用具選びを楽しむとともに、おおいにスノーボード滑走を楽しんでください。

用具の選び方については、バックナンバー「用具の選び方」もあわせてご参照下さい。

次回は、ヨーロッパより現地キャンプの様子などをお届けする予定ですので、楽しみにしておいてくださいね。
2005年11月01日(火) No.2 (コラム)

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