佐々木耕司コラム

「熱中症」について


皆さんこんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。

私は今、現在開催中のスノーボードキャンプのために南半球のニュージーランドに来ており、今年で12シーズン目となります。キャンプを開催している Mt.Huttスキー場の雪のコンディションは、ここ数年ではまれにみるほどの少雪です。積雪は30cmと、さらに多くの降雪を期待している状況ですが、今シーズンからスキー場に多くの人工降雪機が増設され、昼夜問わずフル活動で雪を降らしているため、メインとなるコースは問題なく滑走することが出来ています。
 
今回は、猛暑の日本でトレーニングを行っている方に特に気をつけて欲しい「熱中症」について少しお話ししたいと思います。
熱中症とは、暑い環境下で生じるいろいろな障害(以下参照)のことをいいます。
  1.熱疲労
  2.熱失神
  3.熱けいれん
  4.熱射病
この中の「1.」と「4.」はスポーツを行っている際に発生しやすく、特に「4.」は命にかかわるほど危険なものです。

人間が運動をすると体温が上昇します。20〜30分の激しい運動では、体温が約4℃上がるといわれています。人間は運動をした時に汗をかき、汗が蒸発するときの放熱で体温の上昇を抑えています。

身体の中の水分量は成人で60%です(乳児は80%)。夏場の気温が高く湿度の多い状態では、うまく放熱できないケースが発生し、身体の水分がどんどん奪われると共に体温が下がらないことがあります。そのようになると体温の異常上昇など臓器障害をおこし、そのまま手当をしないと最悪の場合、死亡してしまいます。(熱射病)

以下へ熱中症の予防と対処方法を記します。
<予防>
1. 暑い中での無理な運動はさけます。どうしても運動を行う場合は、涼しい朝や夕方に運動をするなど配慮したり、運動の強度を落とすことが大切です。特に湿度が多い時はさらなる注意が必要です。
2. 水分補給をこまめに行い、水分不足を防ぎます。
3. 揮発性のよい衣類(綿質のものは避けナイロンやポリウレタン等質のもの)を着用して、身体からの放熱を行われやすいようにします。
4. 各自の体調を把握し、無理をしないようにします。
<救急処置>
もし熱中症になってしまった場合は、すぐに救急車を呼び、患者を日陰等の涼しいところへ移動し、体温をすぐに下げるために、水を飲ませたり、皮膚の多くを露出し体中に水を拭きかけたり、氷で大きな血管や身体を冷やしたりすることが大切です。
<対処方法> 事前に防ぐためのいくつかの留意点を記します。
1. 熱中症のことを知りましょう。
2. 暑いときの無理な運動を避けましょう。
3. 失った水を取り戻しましょう。
(100〜150cc/1回の量の水をこまめにとる)
4. 薄着で揮発性の良い衣類を着ましょう。
5. 体調不良の時は、無理をしないようにしましょう。
6. 体重で健康と汗の量を知りましょう。
7. 救急処置を知り、迅速に行いましょう。
(とにかく身体を冷やして体温を下げる!!)

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。楽しみにしておいてくださいね。
2005年08月01日(月) No.2 (コラム)

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