佐々木耕司コラム

「足裏感覚」について


皆さんこんにちは。K-snowJAPAN代表の佐々木耕司です。

ホワイトワールド尾瀬岩鞍では、4日ほど前の3月12日になんと30cmもの降雪がありました。雪質もハイシーズンと同じで軽い雪でした。今シーズンの気象は例年と異なり、12月の遅い時期からの積雪や3月中旬の積雪と約1ヶ月ほどずれていると感じています。

これからは春の陽気が訪れ、朝はカリカリの固い雪、昼前からはやわらかい雪での滑走が多くなると思われます。そこで今回は「足裏感覚について」お話ししたいと思います。

足裏感覚とは文字通り足裏の感覚で、足裏のシチュエーションによって感じられる感覚の違いにどれだけ対応できるかということです。

例えば、以下の状況での足裏の感覚はそれぞれ違います。
1.砂の上を走るとき、ジャンプするとき
2.アスファルトの上を走るとき、ジャンプするとき
3.ぬれた芝生の上を走るとき、ジャンプするとき

それでは、上記のシチュエーションにて「速く走る」や「高くジャンプする」とした場合はどうでしょうか?
足裏が地面をとらえてパワーを伝達するまでの時間や感覚が通常の時と異なるため、1.や3.の状況では、普段慣れていない方は、バランスをとることに多くの労力を費やします。これらをスノーボードの場合で考えてみると、春シーズンの極端に固い雪と柔らかい雪を1日で滑る状況では、雪質の変化にあわせた滑走を心がけることが大事です。それらに対応するためには、まず足裏からさまざまな情報をキャッチして、足首を主体とした脚関節にてバランスをとりながら滑走することが大切です。

ワンポイントアドバイスとしては、朝の固いバーンを滑る際にはブーツを硬く締めてしまいがちですが、普段よりもブーツをゆるめにして滑ることをおすすめします。そうすることにより足首の曲げ伸ばしを意識できるので、足裏感覚が良くなります。悪雪の滑走技術は経験値に比例して上達しますので、シーズン終盤のゆるんだ雪での滑走を積極的に行うと良いでしょう。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。楽しみにしておいてくださいね。
2005年03月19日(土) No.2 (コラム)

「バランス」について


皆さんこんにちは。K-snowJAPAN代表の佐々木耕司です。

先日SAJの第11回全日本スノーボード選手権大会がパインビークスキー場(菅平高原)にて開催されました。大会を見て感じたことですが、一枚の板の上に足を固定してスピードコントロールを行いながら滑走していくことは、とてもむずかしくバランス能力が必要であり、多くの経験をした選手ほど安定して速く滑走することがとても上手でした。

そこで今回は「バランス」についてお話ししたいと思います。「バランス」とは、体の重心を安定させ、その重心を自分の思い通りにコントロールすることです。そのためには、重心(腰)に一番近い関節と重心を支えている足裏に一番近い関節との曲げバランスがとても重要となります。その関節とは「股関節」と「足首」であり、その曲げのバランスと両関節を連動して動かすことがポイントとなります。

さまざまな運動を行い、多くの経験をして、体にその使い方を覚えさせることで、それらを鍛えていくことができます。具体的には、スノーボードの基本である運動を正しいポジションで正しく行うことが必要不可欠であり、走る、蹴る、投げる、飛ぶといった全身運動を日常から行うことでより高いバランス感を身につけることができます。

バランスの維持には、上記の関節の使い方以外にも、骨盤の使い方がとても大切な要素となります。その一例としては、脚関節の曲げに合わせた骨盤の前傾が上げられます。そのためにまず必要な要素としては、骨盤の可動域を広くしておくことが大切であり、バランスボールでのエクササイズが効果的です。
上記の具体的なトレーニングバリエーションは、雪上トレーニングでのスノーボードの基本トレーニングやバリエーショントレーニング、またオフシーズンの陸上トレーニングキャンプにて行っています。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。楽しみにしておいてくださいね。
2005年03月05日(土) No.2 (コラム)

No. PASS