佐々木耕司コラム

「夏の雪上トレーニングの効果(一般編)」について


皆さんこんにちは。K-snowJAPAN代表の佐々木耕司です。

私は今、現在開催中のスノーボードキャンプのために南半球のニュージーランドへスノーボードキャンプに来ており、今年で11シーズン目となります。キャンプを開催しているMt.Huttスキー場の雪のコンディションは、ここ数年ではとても良い状態です。積雪は75cmとまだ少ないですが、カリカリのアイスバーンはほとんどなく、人工降雪と天然の雪が混ざったとても滑りやすい雪質のため、初めてニュージーランドに訪れたキャンプ参加者の方々も、快適なスノーボーディングをエンジョイされています。

さて、今回は「夏の雪上トレーニングの効果(一般編)」についてお話しします。
スノーボードが上達するためには、雪の上を多く滑り、スノーボードに必要な動きを体に定着させることが近道だと一般的には考えられています。理由の一つとして、スノーボードは、一枚の板の上に横向きで乗り、斜面を滑り降りるという非日常的な運動のため、実際の雪上での反復練習は非常に大切です。
では、実際に雪上で滑る時の、1シーズンを通しての練習サイクルを考えてみましょう。スノーボードの滑走経験別に「滑走経験が少ない人」と「滑走経験のある程度ある人」で考えてみると、以下のような流れとなります。

★1.滑走経験が少ない人

初滑りにて、スノーボードでの体の動かし方を思い出す。
    ↓
新しい滑りへチャレンジ。
    ↓
昨シーズンよりも少し上達。
    ↓
シーズン終了。

★ 2.滑走経験のある程度ある人

初滑りにて、スノーボードでの体の動かし方を思い出す。
(自分の滑りを取り戻すのにさほど時間は掛からない。)
    ↓
自分の滑りのテーマを持ち、そのイメージに近づくために練習。
    ↓
新しいイメージの追求に努力する。
    ↓
昨シーズンよりも上達はするが、イメージ通りまでは到達できない。
    ↓
シーズン終了。
 
上記1.2.とも何が足らなくて上達しきれなかったのでしょうか?一番の要因は滑走距離(滑走時間)の少なさ、およびイメージを定着させるための反復練習の少なさだと考えられます。そう言った理由から、夏の雪上トレーニングをすることで当然、滑走距離(滑走時間)を補えるので、以下のような効果を得ることが出来ます。

1)新しい技術を習得する練習時間を確保することが出来る。
2)自分のステップアップした滑りを定着させるための練習時間を確保することが出来る。
3)新しいイメージを発見するための、練習時間を確保することが出来る。

このような理由から、夏の雪上トレーニングの重要性はおわかり頂けるのではないかと思います。ただ、夏の雪上トレーニングを行うには、時間的な要因と金銭的な要因が発生しますが、早く上達を目指す人へは、とても有効的な近道となりますので、強くお勧めします。

次回は、「秋の雪上トレーニングの重要性(一般編)」を、お話しする予定ですので、楽しみにしておいてくださいね。
2004年08月02日(月) No.2 (コラム)

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