佐々木耕司コラム

「エッジ」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。毎年
恒例のGWキャンプ(前期)を野沢温泉スキー場にて開催しました。今回
は、中腹部のコースにて練習を行いました。積雪は十分あり、林間コー
スの左右へ曲がったやや斜度変化のあるレイアウトのコースにGSの日は
22旗門、SLの日は30旗門をセットしました。初日は、雪や氷が降る
天候でしたが、2日目、3日目は晴天にて気温がやや上昇する中、スノー
セメントを撒きややハードとなったバーンコンディションの中、参加
者は今シーズンのしめくくりとなるゲート滑走を楽しまれたことと思
います。今後に向けての新しいテクニック(膝だけではなく股関節を
使った荷重:外人のトップ選手が主に使っている)の伝達を行い、それ
に積極的に挑戦される参加者の熱意には、来シーズンのさらなる進化
した滑りを期待します。GWキャンプでは、恒例になりつつあるスター
ト前のブラッシング(春のゆるんだ雪で滑走時につくソールの汚れを
とるため)を参加者が行っていて、特に汚れが多い春雪にはオススメ
です。(汚れを取り除くためボードの走りが良くなり、スピード不足
による上達の妨げを防げるため)さて、今回は”エッジ”についてお話
ししたいと思います。スノーボードには、ソールとエッジがありますが、
これは何のためかご存知でしょうか?雪面との摩擦を減らして良く滑る
ためにソールがあり、雪の上でボードの進行方向を変えたり、スピード
コントロールをしてボードのコントロールをするためにエッジがありま
す。それぞれの素材は、ボード本体の値段によって異なり、値段が高い
ボードほど良い素材を使っているため、高い性能を持っています。エッジ
で言えば、良い物ほど鉄の含有量が多いため柔らかく、よく雪面にコン
タクトします。ちなみに安いボードの中にはステンレスが多く使われた
エッジがあり、鉄の物と比べると硬くボードのしなりに影響することが
あるようです。これらを見分ける方法としては、エッジが濡れた後に
サビるかサビにくいかというものがあります。エッジを研磨できる人
であれば、その硬さの違いは顕著であり、前者は柔らかく、後者は硬く
てとても手で削ることが難しいほどです。では、実際に手入れを行う際
(エッジをチューンする)の基礎知識について下記へ記します。エッジ
は、ベースとサイドの2つの面があり、双方を削ることでエッジの角度
を調整します。主な調整(チューン)例と特徴は下記のようになります。
·ベース:
 ○滑走面と同じ高さ(0°)の場合
 エッジのコンタクトが早いが、エッジが噛み、減速しやすい。
 操作性に少し劣る。
 ○ベースよりも少し落としてある場合(-0.5°、-1°)
 エッジコンタクトが少し遅いが、減速しにくく操作性に優れる
·サイド
 鈍角(90°、89°)操作性が良い、エッジの噛み具合は普通。
 鋭角(87°、86°)エッジの噛み具合は良い、操作性は少し難しい。

スノーボードで、エッジグリップを優先するか、操作性を優先する
かの度合いによってエッジ角を調整すると、自分にあった乗りやすい
ボードチューンとなります。タイプ別のチューン例は、ターンをメイ
ンに行う方へオススメとしては、サイドを鋭角/ベースを少し落とす
ことで、エッジグリップがよく操作性のよいものとなり、ジャンプや
トリックなどを行うフリースタイル系の方は、サイドを鈍角/ベース
を少し落とすことで、エッジが引っかかり難くく操作性が良いものと
なりパフォーマンスを発揮しやすくなります。エッジは、ボードの操作
において重要なもので、自身のライディングや目的にあわせたチューン
ナップを行うことで、早い上達の助けとなるためオススメします。
来期使うボードや新しいボードを、シーズンオフにチューンナップショッ
プ等に出して自分仕様に仕上げてもらってみてはいかがでしょうか?
(私は、エッジの仕上げ具合やソールの仕上がりが最良で私にあって
いるため、”あとりえS”を長年愛用しています)K-snow JAPANでは、
オフシーズンの海外キャンプ(夏のニュージーランドキャンプや秋の
北米orヨーロッパキャンプ)にて、雪上トレーニングだけではなく、
チューンナップ講習会や用具の特性にあわせた技術指導や知識の伝達
を行っていますので、興味のある方や早い上達を望まれる方は、是非
ご参加いただければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。

2013年05月01日(水) No.110 (コラム)

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