佐々木耕司コラム

フルカービングについて1


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。ここ
最近、朝晩と冷え込み冬の訪れがもうそこまできていると思える陽気
となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?昨日、私は
約25年ぶりに狭山スキー場(日本初の屋内スキー場)へ行ってきました。
昔はスキーヤーしかいませんでしたが、現在は約4割弱ほどのスノー
ボーダー(中には中国語を話すスノーボーダーもいました)がいたり、
昔は自身のスキーの練習に訪れましたが、今回はスノーボード選手の
コーチングに訪れたことなど、昔とは全く違う光景や自身の立場の
変化に時代の流れを感じました。気温が比較的暖かいためか、少し
緩んだ雪でしたが、都心から近く平地にあるということを考えれば
足慣らしには、まずまずの環境であると思います。さて、今回は
”フルカービングについて1”をお話しします。よく中級者以上の方が
口にするフルカーブ(全切り)とは、どのようなものかご存知でしょう
か?スノーボード用具の進化のため、カービングターンは昔と比べて
それほど難しくないものとなりましたが、やはりどんなバーンでも
ボードを自在に操り、華麗なカービングターンをできるようになりたい
と思う人は多いかと思います。カービングターンは減速要素の少ない
ズレの少ないターンのため、斜度が急なバーンや硬い雪で行う場合、
どうしてもスピードが増してオーバースピードとなり、カービング
ターンを続けることが難しくなりやすいものです。そのような状況で、
常にカービングターンにて滑り続けることをフルカービング(フル
カーブ:全切り)と言われており、上級者向けになると斜度が急で
スピードが出過ぎて思わずコントロールしてしまうようなバーンを
全てカービングターンにて、かつ暴走しないように滑り降りてくる際
の呼称でもあります。それでは、フルカーブするにはどうしたらよい
でしょうか?そのためには、まずは常にカービングをするために必要
不可欠な要素を押さえておくことが大切です。その代表的な項目を以下
に記します。
·ボードがずれないように、必要なだけエッジを立てる
·ボードのセンターをたわませる
·上記のことを両足操作で、できるだけスムースに行う
最良の雪質の緩斜面であれば、上記の事柄とボードに乗り続けるという
意識を持つことで、カービングターンにて滑り続けることを行いやすく
なります。次に、雪が少し固くなった時や中斜面のようなスピードがでて
しまいやすい状況になると前者とは一変して、カービングターンにて滑り
続けることが少し難しくなり、もっと急な斜面やアイスバーンのような
硬い雪では、さらに難しくなるためそれ相当の技術が必要とされます。
それら中斜面·急斜面にてフルカーブで滑るためのコツとしては、ターン
をできるだけ長くする事とターンの前半から圧を加えてボードをたわませ
ることが大切となります。中斜面では、上記に加えて正確な荷重動作と
エッジの切り替え時の正しい方向への落下を行うことで、フルカーブにて
滑り続けることがきるようになります。上記の事柄を行うための練習と
その際の注意点、およびハイスピードとなる急斜面や硬いバーンでのフル
カーブのコツやそのための動作等については、次回以降の”フルカービ
ングについて2”にてお話ししたいと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。

2012年11月01日(木) No.100 (コラム)

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