佐々木耕司コラム

「冬の雪を滑ることでの早い上達」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。私は、
例年のニュージーランドキャンプに来ており、最良のコンディション
の中、キャンプを開催しています。今年のNZキャンプを振り返って
みると、最初は降雪が早いシーズンでしたが、一度春の陽気となり
雪が30mほど減ってしまいましたが、7月下旬から雪(麓は雨)が
多く降り、最終的には積雪が200cmオーバーの絶好のコンディション
になりました。8月中旬以降は晴れの日が多いですが、前半はこれまでに
ないほど雨の日が多く、メスベンでのアフタースノーボードの楽しみ
の一つである、グランドでのスポーツが約2週間ほどできない状態があ
りましたが、山のコンディションが良かったため、スポーツできな
かった分、数多く滑りました。ここ最近のメスベンの様子は、日本人
などの海外からの長期滞在のスノーボーダーやスキーヤーが減り、
それにより安宿(バックパッカー)などが閉館された状態になって
います。約20年前に私がこの街に来たときにあった6件以上の安宿は、
今は2件になり、来期は1件になってしまいそうです。地元の人の
利用が多いバーやスーパーは健在で、震災で倒壊して昨年まで閉店して
いたバーは、めでたく再オープンしました。メスベンが時代とともに
少しづつ変化していることに気づかされた今シーズンです。さて、
今回は”冬の雪を滑ることでの早い上達”についてお話ししたいと
思います。季節が逆の南半球になぜ多くのヨーロッパや北米からの
スノーボーダーやスキーヤーがくるかご存知でしょうか?もちろん
滑りたいからということは第一として、北半球の標高の高い山であれば
夏でも滑れるところがあるにもかかわらず、冬の雪を求めてわざわざ
飛行に乗ってまで滑りにくるからには理由があると思い、少し考えて
みました。競技をしている人は、冬に競技があるため冬の雪でトレー
ニングをしたり、用具のセレクトをする必要があるためであり、
一般のスノーボーダーやスキーヤーは、以下のような理由にて冬の
雪を滑ることが多いと思います。
・安全に楽しく滑れる
・冬の雪で滑ると気持ちが良い
・雪質が良いため早い上達が可能
・目標に向かって滑り込む必要がある
・夏の暑さから逃れて涼める
・など

やはり冬の雪をすべる最大のメリットとしては、雪質の良さがあげら
れます。冬の雪質は、気温が低いため雪の結晶が細かく水分が少ない
のが特徴で、春や夏の再結晶が繰り返された水分の多い雪と比べると
ソフトな感覚を味わうことができます。また、温度差が少ないと雪質
の変化が小さいため、滑走性があまり異ならず、一定の技術を修得する
のに適しています。それに対して春や夏の雪では、雪質の変化が大きく、
滑走技術全体をあげるのには適していますが、技術を向上するには、
少し時間を要するということがあります。安全性についても、やはり
冬の雪の方が、滑走する際の抵抗の変化の差が少ないため、けがを
しづらいことがあげられます。また、春や夏の雪は朝は硬く、昼は緩ん
だ雪で抵抗の差が大きいため、滑りづらいばかりか転倒してけがをする
割合が高くなることがあります。上記のことからも、まず基本としては、
冬の雪で滑ることが、リラックスして楽しみながら、一定の技術を
学び易いため早い上達が可能となります。K-snow JAPANでは、夏のニュー
ジーランドや秋の北米 or ヨーロッパの冬の雪でのキャンプを開催して
いますので、興味のある方は是非ともご参加いただければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。

2012年09月01日(土) No.98 (コラム)

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