佐々木耕司コラム

「基本の大切さ」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
先日、チャオ御岳スキー場にゲート練習会とケスラーカスタム試乗会に行ってきました。街では桜が満開となり、春の陽気となりましたが、今年は3月に雪が降ったり寒い日が多かったため、標高の高いスキー場には多くの残雪があり、まだまだ滑走が可能なところが多いシーズンとなっています。チャオ御岳も同様に豊富な積雪があったためか、例年の春に比べて雪があまり汚れて無く、きれいに感じました。

さて、先日(4月1日から8日)まで北海道にお手伝いにいってきた今シーズン最終の主要大会の様子を以下へ簡単にお話しします。
4/3ジュニア全日本大会、4/5第18回FIS全日本大会PGS、4/6第18回FIS全日本大会SBX、4/7FIS北海道選手権大会SBX、4/8FIS北海道選手権大会GSと日本一を決める大会や国際大会が目白押しに開催されました。
私は、レフリー(主審)や競技委員長、TD(技術代表)を務めさせていただきました。大会の模様は、4/3のジュニア全日本では、佐々木塾にてトレーニングを積んでいる高校2年の植野琴選手が、GS優勝、SL準優勝、元佐々木塾生で今シーズン中は主要大会の直前に岩鞍へ基本のチェックをしにきていた中学3年の篠崎倖汰選手がGS優勝、SL準優勝となりました。二人は、ジュニア日本一を決める強豪ひしめく大会にて十分に実力を出し切り、見事に結果を出しました。4/5の全日本大会パラレルジャイアントスラローム(PGS)は、1位金選手(韓国)、2位白川尊則選手、3位斯波正樹選手、女子は竹内智香選手が優勝しました。
斯波選手は予選では、ダントツのタイムで1位通過となり、決勝の準決勝でその日誰よりも良い滑りをした白川選手に破れてしまい3位となり、女子の竹内選手は安定した世界レベルの滑りで優勝しました。その日に印象的だったのが、斯波選手の予選1本目の滑りと全日本チャンピオンとなった白川選手の準決勝の2本の滑り、竹内選手の決勝の滑りで、それらはいままでの日本人選手の中でも飛び抜けて超越したとてもすばらしい滑りで、まだまぶたに焼き付いているほどです。4/6の全日本大会スノーボードクロス(SBX)と4/7のFIS北海道選手権大会は、男子桃野慎也選手、女子藤森由香選手が優勝しました。4/8の北海道選手権大会GSは、現在の日本のトップの男子斯波正樹選手と女子竹内智香選手が優勝しました。今大会はワールドカップと日程が重なって出場できなかった、ナショナルチームの選手が全員参加したハイレベルな大会が行われました。
オリンピック選手が在籍し世界で活躍中のナショナルチームの滑りは迫力のあるもので、とても速くて美しかったです。同じ大会に参加した国内強化選手やジュニア達は、世界で活躍するトップ選手の滑りをまじかで感じ、世界との差を実感できたことと思います。大会のレースポイントも高く、これは日本人選手が世界レベルに確実に近づいてきている証であり、今後がとても楽しみです。

さて、今回は”基本の大切さ”についてお話ししたいと思います。
あらゆるスポーツにおいて基本というものは、シンプルなものであり、とても大切です。基本を身につけた上に応用技術があるため、基本をしっかりと身につけることで大きく上達することが可能となるのです。
スノーボード等の用具をつかうスポーツでは、個々人にあった用具やセッティングを行うことが基本となり、それらをしっかりと行うことでスノーボード等の雪面を滑走するスポーツの怪我のリスクを減らすことができ、スノーボードライフを長く続けることが可能となります。自分の技術レベルにあっていない用具や間違ったセッティングで滑走を重ねると変な癖がついたり、疲れやすくなったりします。例えば、ロードバイク(競技用の自転車)で走る際、自身にあったバイクの種類をチョイスし、サドルの高さなどを自分の体系にあわせて調整してから走りだすことと同じように、スノーボードも自身のレベルにあった用具を使用して、自身の体系にあったセッティングを行ってから、基本技術を見につけていくと早い上達が可能となります。私が指導させていただいている方には、まずは用具とセッティングのチェックから行い、次に基本技術の確認を行っています。基本技術の修得には個人差がありますが、それを身につけることによって飛躍的に上達する可能性が高くなり、怪我の防止につながり、大会等での目標達成へ近づきます。K-snow JAPANでは、GWキャンプに志賀高原にてスノーボードキャンプを開催しますので、基本の見直しや来期に向けての基盤を作りたいと思われる方は、是非とも参加してみてはいかがでしょうか?

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2012年04月16日(月) No.93 (コラム)

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