佐々木耕司コラム

「天然雪と人口雪における滑走方法」について


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。私は今、志賀高原一の瀬ファミリー(長野県)にて毎年恒例の年末新年スノーボードキャンプを開催しています。先日の寒波では、体感気温マイナス20°ととても冷えた日が1日あり、まとまった降雪を期待したのですが、あまり雪が降らずこの時期にしては、まだ積雪が少ない状態です。今回の寒気の流れは、昨年同様に西日本と東北方面に流れ込んだようで(新潟では先週3mの積雪がありましたが)、ここ長野は少しずれているためお正月の大雪とはならないようです。
もう少し積雪が欲しいところですが、吹雪で視界が悪くなるよりは、良いコンディションの中でのレッスンも良いので複雑なところです。
新年の誓いとしては、昨年の大震災後の長く続く復興のために、できる範囲で消費を停滞させず、産業の活性化に協力していきたいと思います。例えば別のスキー場や観光に行く場合、途中のお店(コンビニ等)ではなく、その地のお店で飲食したりお土産を買ったりと、できるだけ現地で買い物をしてお金を払うようにしたいと思います。生活面においては、充実した日々を過ごすために、健康管理に気を配り、1日を精一杯過ごすということをテーマに活動して行きたいと思います。

さて、今回は”天然雪と人口雪における滑走方法”についてお話ししたいと思います。ここ数年、シーズンインは雪が少ないことが多く、天然の雪と人工降雪の雪の両方のバーンコンディションの中で滑走することがあり、今までは雪質の違いについて特に気にしていなかったのですが、先日、ホームゲレンデのホワイトワールド尾瀬岩鞍にてレッスンをしていた際、2つのコースの雪質がそれぞれ天然雪と人工雪にわかれていて、その時の生徒の滑りを見たり、話を聞いたりして両方の雪での滑走における特有の違いがあることを感じました。雪質は、細かく分ければ約1000種類以上あるといわれており、天然雪と人口雪では場所によって雪質が異なりますが、代表的な両方の雪質の違いについて見てみると、雪になる過程での落下距離や温度、雪の降る密度が異なり、その他に以下のような代表的な違いがあります。

天然雪:
雪に含まれる空気が多く、雪質が柔らかくボードが雪面に埋まりやすいため、ボードの走りが少なく、スピードが出にくい。

人口雪:
雪に含まれる水分の密度が多く、雪質がかたくボードが雪面に埋まりにくいため、ボードが走りスピードが出やすい。

◆実際にスノーボードで滑走している時の違い
天然雪の場合:
・スピードが出にくいため、ボードを斜面の下に向けて滑ることができるが雪質が均一でないので、ボードのセンターをしっかりと両足で踏みながら滑ることが必要。
・スピードを落とさないように、ボードを走らせるテクニックが必要

人口雪の場合:
・スピードがでるため、ボードを斜面の下に向け続けてすべることが難しいが雪質が比較的均一なので、落下に慣れればボードの上でのポジションが多少前後しても滑れるようになる。
・走るボードのスピードに慣れることが必要

上記のように、滑走の際のスピードやボードの上での動きに違いがあるため、片方の雪質ばかり滑っていると偏った滑りになりがちです。スノーボードが上手な人が、異なった雪質でも極端にライディングが変わることなく滑ることができるのは、異なった雪質でのライディングを数多く経験しているからです。以下のことに気をつけて、ケガなくさまざまなコースでの経験値を増やしていくことが上達の近道であると思います。
コースの雪質が安定するまで、雪質の変化に対応するために留意するとよいと思われる点。
・準備運動、ウォーミングアップをしっかりと行う・スピードを控えめにする・両足でしっかりとボードに乗り、ボードを安定させる・前をみて滑る(できるだけ遠くを見て滑る)・初めて滑るコースでは無理をせずに、雪質や斜面の状況をまず下見する・他

K-snow JAPANでは、スノーボードを楽しむ方向けのスクールをはじめ、大会にチャレンジする競技者までの幅広い方へのレッスンを行っております。
特にスピードを出してすべる競技者向けのレッスンでは、さまざま雪質での滑走のコツも伝授していますので、興味のある方は是非一度キャンプにご参加いただければと思います。

次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2012年01月01日(日) No.86 (コラム)

No. PASS