佐々木耕司コラム

「スポーツのちから」についてお


皆さん、こんにちは。K-snow JAPAN代表の佐々木耕司です。
2011年3月11日に発生いたしました東北地方太平洋沖地震の被害に遭われた皆様、関係者の方におかれましては、心よりお見舞い申し上げると共に一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

現在、ホワイトワールド尾瀬岩鞍がある群馬県片品村では、村全体で約900名の福島県南相馬市の被災者の方々を受け入れており、そのうちの約80名がスキー場施設内にある、岩鞍ハウスに滞在しています。
現在滞在している方々は、南相馬市にて持ち家がある方がほとんどとのことで、原発の避難区域近辺に最後まで残っていたところ、半強制的に退去を命じられ群馬へ避難してきたそうです。彼らが滞在している岩鞍ハウスの一部の部屋が従業員用として使用されており、私はそこに滞在しているため、部屋こそ一緒ではありませんが、被災者の方々と同居しており、3食の食事とお風呂では、毎回さまざまな方と交流しています。最初は、リアルな災害の状況や家族を失った話、この先のことの話など、少し沈んでしまう内容でしたが、その後は元気がでる内容や、ご飯が美味しくなり明るくなるような会話を食事の際にしています。滞在している皆さんは、食事当番や清掃等をみんなで役割分担し、体がなまらないよう健康に気をつけ、規則正しい日々を過ごされており、明るい笑い声が多く聞こえるようになってきました。岩鞍ハウスは多くの雪で覆われており(スキー場内にある施設のため)海沿いに住んでいた方々には、これだけの雪があるのはめずらしいことであり、室内にこもりがちな方々に、是非この機会にウィンタースポーツを体験していただこうというスキー場のはからいにて、週末の営業日に無料にてレンタルと滑走ができる機会に、スノーボードを体験していただこうと、当スノーボードスクールにおいても無料レッスン会を企画いたしました。
残念ながらその日は、ザスパ草津(サッカーチーム)によるイベントと重なってしまったことや、お年を召した方々が多かったためか参加者がおりませんでしたが、被災者の方が元気に生活ができることの役に立てることをしていきたいと思います。

さて、今回は、”スポーツのちから”についてお話ししたいと思います。
そもそもスポーツとは、何かご存じでしょうか?Wikipediaによると、語源は「気晴らしをする、遊ぶ、楽しむ」から至ったと言われており、遊びの要素から始まり、人が無邪気に夢中になって楽しむこと、充実して生きることにつながることそのものであると思います。人によっては、生活には関係のない、生きていくためには必要のないものという方もいらっしゃるかと思いますが、私論では心身ともに健康を維持するために必要不可欠であり、スポーツを通じて勉強では教わることのできない感動や友情や思いやり、仕事とストレス、ライフスタイルのバランスを整えるために大切なものであると考えます。私の立場として今この時期に出来ること、それは本来のスポーツのもっている生きていくために必要な要素である、健康になれ、元気や明日への活力を担うエネルギーとパワーのもととなる精神状態になっていただくことへのお手伝いを行っていきたいと思います。話は少し外れますが、先日始まった春の選抜高校野球の選手宣誓(創志学園 / 野山主将)には、感動しました。はっきりとした声で気持のこもった立派なもので、中でもとくに感動したのは、”生かされている命に感謝して・・・・・・・・・”とのフレーズでした。
そもそも人間は生きるために生まれてきて、状況によっては寿命まで生きられない人が多くいる中で、自分の好きなスポーツができていること、それは決して自分一人だけでできているものではなく、親、親戚、先生、スポーツ用品メーカー、施設関係者、競技団体、自治体、等々の支えがあるからこそであり、スポンサーやボランティアの支えがあるから競技会(全国大会等)が開催され、そこへ県の代表として日頃の練習の成果を精一杯発揮するために参加しているという気持ちが強く感じられました。
大会の結果は、残念ながら1回戦で敗退してしまいましたが、宣誓したとおり、”今、自分にできること=元気いっぱいプレーして正々堂々と戦うこと”を有言実行して成し遂げ、多くの人に元気づけ、影響を与えたことであると思います。スポーツのちからは、終戦後の日本の大がかりな復興を支えてきたばかりか、世界中の人達の間で言葉や国籍の隔たりなく共通して楽しむことができ、平和の役に立つ大きなちからを持っています。そして、誰でも自由に行うことができ、同じ目標に向けてみんなでちからをあわせ、同じ時間を共有でき、人生を豊かにしてくれる素晴らしいものであると思います。

今年は、例年よりも寒い冬であまり雨が降らなかったため、雪解けが少なく、スキー場にはまだ多くの残雪があります。(約1ヶ月前の積雪量と同じ)ゴールデンウィークまで、スノーボードの滑走が可能ですので、リフレッシュしたい方や健康を維持して元気になるためのお役に立てればと思います。
最後に、現在、メディアにてさまざま励ましの言葉を目にします。
その中のひとつ”Pray for Japan”世界中からの応援である、日本への祈り、あきらめずに将来にむけてがんばって、という意味が込められている言葉。
このタイトルに関連したwebサイトでは、心に残るつぶやきや、応援メッセージがまとめられていて、初め見た時は涙があふれでてきましたが、勇気づけられることが必要な方や、それにこたえていこうとする方、今こそみんなが励まし合い、力をあわせて、一緒の方向をむいていく時であると強く思いました。
http://prayforjapan.jp/message/


次回もまた皆さんのお役に立てるようなことをお話したいと思います。
楽しみにしておいてくださいね。
2011年04月01日(金) No.75 (コラム)

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